50代女性 営業職 朝スリッパを履こうとたら突然右膝が痛み歩くのがつらくなったケース。
関節の周りを押えても痛みは感じないのでどこが悪いのかわからないのも不安を感じる。
太ももの前面をマッサージしたら痛みは軽くなったが
体重をかけると強く痛み、曲げ始めで激痛がある状態で来院。
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鍼灸の後は痛みを全く感じなくなった。
膝痛の患者さんで術前に確認することは以下の6つ
1.熱感
2.腫れ
3.水が溜まってないか
4.変形など
5.捻挫の有無(整形外科的テスト)
6.筋肉の損傷
重要なのはどのような状態で痛みを感じたか?
日常生活での使い方に痛みの原因があります。
転倒などなくても持続的に捻挫や筋肉疲労で痛みが出やすくなっている場合があります。
上記の1~4は使い方で起きた現象ととらえています。
本ケースでは、4以外該当するものはありませんでした。
本事例の突然の痛みの原因とは
イラストは右ひざ正面です。
赤い○印にある関節がずれていました。
(近位脛腓関節)
日常生活の中での使い方で少しづつズレてしまったと思います。
(転倒などケガはなかったので)
押えて痛みがなかったのは、予想外の場所が痛みを出していたからチェック漏れだと思います。
鍼灸での痛みの取り方
脈診(みゃくしん)で痛みを出している場所の状態を確認します。
伝統的な鍼灸では、緩んだ感じがするのか?硬いのか?脈が速いか?遅いか?などで判断します。
本症例では、脈が緩んでいました。
関節をさわると2本の骨がしっかり連動しておらす少し離れていました。亜脱臼と言っても差し支えないと思います。
左(痛みのない側)の同じ関節はしっかりしています。
脈の診方にもいろんな種類があり筋肉ユニットの「コリ」「たるみ」も分かります。
左のイラストは頭から足首までのつながり(経絡)を表しています。
このライン上の筋肉群をグループに分けて経筋(けいきん)として扱います。
本例では頭から足首まで背面全体がたるんで、体の側面が硬くなっていました。この筋肉のアンバランスはいろんな所がねじれます。
脈診と触診で痛みを出している場所の状態が一致しました。
左の同じ関節付近にあるツボと股関節にあるツボに鍼をして、膝関節の左右差と骨盤調整を行いました。
右膝の関節もしっかり引き締まりましました。
患者さんが歩いて確認すると痛みは全くなく、屈伸をしてもい網ませんでした。
まとめ
ケガもなく、整形外科的検査で異常がない場合は筋肉バランスを考えます。
経絡や経筋の状態を整えて痛みをコントロールする方法もある。
膝の痛みは特に日常生活での使い方に原因があることが多いです。