気分が悪くなるのでベッドに横になりずらい40代女性が3回で症状快癒した臨床例を紹介します。

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既往歴と症状

・ストレスと疲労が重なった。
・パニック障害のように感じるときがあった。
・ロキソニンを多めに服用している。
・また更年期障害のような状態になる。
・体温調整が苦手。
・肩がこって手足が冷えるとのこと。

伝統医学的な症状のとらえ方

脈診では、血液質が低下しているように感じました。よって血に関係する「心」と「肝」

気血水の「血」がテーマ

血液の循環が悪くなったのが直接的な原因で2次的におこる症状と2段階に分けて考えました。

本症例の根本的な原因は胃腸の蠕動運動(腸の動き)の低下だと予想します。

ストレスと疲労が重なったことにより腸の動きが低下。


栄養や水分の吸収が悪くなり血液の質に影響が出たというストーリーが見えました。

「血」とは赤血球をイメージしがちですが、この場合液体成分を意味します。

【1回目】直接的な症状と2次的症状に別ける

症状を2つのグループに分けて考えました。

1.肩こり手足の冷え、全身のだるさ

2.吐き気と気分が悪い

1に関しては血液量が少ないと考えました。
2に関しては血が少ないことで2次的に体温を運びきれない。

冷えが原因で横隔膜の上下での行き来が不十分だったと考えました。

血液の質に関しては液体を増やすために
血海(けっかい)
太衝(たいしょう)
臨給(りんきゅう

手足の冷えと肩こり対策に
居髎(きょりょう)

【2回目19日後】血液成分の質からの症状は消えた

ロキソニン服用せず。気分は全快ではないが時々気持ち悪くなる時がある程度まで頻度も辛さも楽になる。

症状的には冷えが一番気になる。

外関(がいかん)
臨泣(りんきゅう)

胃腸の動きを助ける
三里
太衝

肝臓に新鮮な血液を送る
曲泉(きょくせん)

【3回目19日後】根本原因への対処

本症例の根本的な原因は胃腸の蠕動運動の低下だと予想しました。

結局最期まで反応が残りました。症状はほとんどないものの体調管理が今日の目的です。

横隔膜をより動かす事を目的に
外関と臨泣

胃腸の動きを助ける
三里
太衝

胸のあたりが熱ぽかったので
神門(しんもん)
行関(こうかん)

後日、状態をおうかがいしたら
3回で良くなったそうです。

まとめ

ストレスや疲労も放っておくと思いもよらない体調不良を引き起こすことがあります。

普段気にすることの無い腸の動きやそれに伴う未消化の腸の内容物の処理。

伝統的医学では、”「肝」は血を蔵す”と言います。

腸から門脈経由で栄養豊富な血液が肝臓に入って機能する様だと解釈しています。

本症例も肝機能の負担軽減と機能面を整えたことが症状消失につながったと思います。