流行り病の治りかけのタイミングから咳が止まらない出産1ヶ月前の20代女性が2回の鍼治療で咳気にならなくなった症例です。
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咳が止まらないのは流行り病の後遺症なのか?
隔離期間を経てPCR検査も陰性で来院。
熱やだるさなど流行り病の症状は無し。
前日に咳からの嘔気があり心窩部から喉に違和感がある。
退院後数日で、影響があったとしても後遺症になる前と判断しました。
咳の原因
伝統医学での感染症反応もなく、余分な水分が多いときの反応が出ていました。
余剰な水分が喉の粘膜に絡んで蒸せたような感じを受けました。
鍼をおこなう方針は次の3種類
- 呼吸器系の水分を捨てる
- 心窩部の違和感を取り除く
- お腹を温めて余剰水分の代謝を促進
1の呼吸器の余剰水分には、1回の呼吸を大きくする目的があります。
余剰水分を吐く息で捨てるイメージです。
2の心窩部の違和感は嘔気や嘔吐の際、胃酸で傷ついた食道などの不快感を楽にする狙いがあります。
3の元々冷え性の方が大きなお腹で下肢への血行を圧迫され余計冷えやすい。
水分代謝が悪くなるので温めて水分代謝を促す目的があります。
本件症例では、3種類の複合型で全ての処置を行いました。
咳の経過
1日目帰ってから楽になる。
2日目終了時にはほとんど咳もでなくなりました。
その後、咳こむこともなくなったので症状は落ち着いたと判断しています。
妊娠中に鍼をしても大丈夫?
逆子のお灸などもあるのでツボと場所を選べば問題なく鍼ができます。
禁鍼穴(きんしんけつ)といって鍼をしてはいけないツボがあります。
妊娠中の方に使ってはいけないのが以下6つのツボ
合谷(ごうこく) | 三陰交(さんいんこう) |
肩井(けんせい) | 石門(せきもん) |
三里(さんり) | 血海(けっかい) |
など血を動かすときに使うツボです。
禁鍼穴(きんしんけつ)を使ってはいけない理由
妊娠中の禁鍼穴(きんしんけつ)に関してです。
妊娠中は血行や血液の配分が普段とは変わります。
無理に血流を変えてはお腹の赤ちゃんへの血流にも影響するのでセルフケアでもツボをさわらないでください。
肩こりの時に使うツボも多いので妊娠中は肩こりを感じてもツボを押さずに筋肉のストレッチをおこないましょう。
妊娠中に咳が止まらない時のまとめ
流行り病感染後の咳は病院で隔離期間や検査の陰性を確認する
咳が止まらない原因は体内の余剰水分の影響と考えられます
- 呼吸が浅い
- 腹部の冷えが水分代謝を低下させる
- 心窩部の違和感
対処法は
- 呼吸を大きくゆったりさせる
- 足にお灸で冷え性対策
- 心窩部を緩めて楽にする
妊娠中に押してはいけないツボがある
肩こりにも使うツボなので、肩がこっても押さずにストレッチで解消しましょう。